2024/03/24
最近、企業や組織の情報セキュリティにおいて、ゼロトラストの概念が注目を集めています。ゼロトラストとは、従来のセキュリティモデルである「内部信頼モデル」に代わる新たなアプローチです。内部信頼モデルでは、ネットワーク内のリソースに対しては信頼を置き、外部からのアクセスに対してのみ厳しい制限を設けることが一般的でした。しかし、近年のセキュリティの脅威は進化し、従来のネットワーク境界が曖昧になってきています。
リモートワーカーやモバイルデバイスの普及により、ネットワークの境界線は曖昧になり、セキュリティの盲点が生まれることがあります。このような状況において、ゼロトラストは有効な対策となり得ます。ゼロトラストの基本的な考え方は、「信頼しない」ということです。つまり、ネットワーク内のどのリソースも自動的には信頼されないという前提で、アクセス制御やセキュリティ対策を行うというものです。
具体的には、以下のような要素が重要です。まず、ユーザー認証とアクセス制御です。ゼロトラストでは、ユーザーやデバイスがアクセスする前に正当性を確認します。これには、マルチファクタ認証やデバイスの評価、ポリシーに基づいたアクセス制御などが含まれます。
ユーザーの認証情報やアクセス権限を厳密に管理し、不正なアクセスを防ぐことが重要です。次に、セグメント化とマイクロセグメンテーションです。ネットワークを細かいセグメントに分割し、各セグメントごとにセキュリティポリシーを適用することで、攻撃の拡大範囲を制限することができます。セグメント間の通信は必要最小限に制限し、セグメント内での通信も必要最小限に絞ることで、ネットワーク全体のセキュリティを向上させることができます。
さらに、ネットワークの可視化とログの収集・分析もゼロトラストの重要な要素です。ネットワーク内の通信やアクセスの状況をリアルタイムに把握し、異常なトラフィックやアクセスを検知することができます。また、ログの収集と分析を行うことで、攻撃の痕跡を追跡し、セキュリティインシデントに対する迅速かつ的確な対応が可能となります。ゼロトラストの導入には、ネットワークの設計変更やセキュリティポリシーの見直しなど、多くの工数がかかることもあります。
しかし、企業や組織にとってセキュリティ対策は重要な課題であり、ゼロトラストはその課題に対する有効な解決策となりうると言えます。ネットワークの境界が曖昧になるなか、ゼロトラストの考え方を取り入れることでセキュリティレベルを向上させることができます。従来の内部信頼モデルでは見逃していたセキュリティ上のリスクを最小限に抑えることができるため、今後ますます多くの企業や組織でゼロトラストが導入されることが予想されます。セキュリティにおいては予防が重要であり、ゼロトラストによる対策はその予防策として有効であると言えます。
企業や組織の情報セキュリティにおいて、従来の内部信頼モデルに代わる新たなアプローチとして注目されているのが、ゼロトラストです。ゼロトラストでは、すべてのリソースに対して信頼を置かず、ユーザー認証やアクセス制御、セグメント化、ネットワークの可視化とログの収集・分析などの要素を重視してセキュリティ対策を行います。ネットワークの境界が曖昧になる現代において、ゼロトラストの導入がセキュリティレベルの向上に有効であり、今後ますます多くの企業や組織で導入されることが予想されます。予防策としても効果的な取り組みであると言えます。